「朝、顔がパンパン…」
「足が重だるくて靴がきつい」
「夕方になると全身がむくんでつらい」
こんなお悩み、特に梅雨の時期には増えてきますよね。
今回は、体の構造と栄養学から「むくみの正体」に迫ります!

そもそも、むくみって何が起きてる?
私たちの身体は、血液・リンパ液・細胞間液(細胞と細胞の隙間にある水)などで構成されています。
その中で、「血管から水分が漏れて、細胞の外に溜まったまま戻れない」状態が、いわゆる「むくみ」
むくみはこうした循環がスムーズにいかず、「排出が滞っている」サインです。
なぜ戻れなくなるの?
むくみやすい理由には、下記の要因が重なっていることが多いです。
1. 血流・リンパの滞り
→運動不足・筋肉不足・長時間の同一姿勢・冷え などにより、血流・リンパの流れが悪くなり、水分の吸収を妨げてしまうことでむくみにつながる。
2. たんぱく質不足 → 血管内の浸透圧が低下
→「アルブミン」というタンパク質が、水分を保持する役割をしています。
たんぱく質不足→アルブミン減少→水分が血管内に保たれず、外に漏れ出しやすくなり、むくみにつながる。
3. 腎臓・肝臓の機能低下
→余分な水分や塩分が排出されにくくなり、水分が体内にたまりやすくなる。
4. ミネラルの過不足
多くの情報源が「塩分はむくみの原因!」としていますが、
これは精製塩(食塩=塩化ナトリウム99%以上)だけを指しているケースがほとんどです。
精製塩ばかりを摂ると、ナトリウム過多・カリウム不足となり、結果的に水分バランスが崩れて「むくみ」を起こしやすくなります。
天然塩には、ナトリウムだけでなくカリウムやマグネシウムなどのミネラルもバランスよく含まれています。
なので、むしろ余分な水分を流すサポートになることもあるんですよ。
【ミネラルがむくみに効く理由】
体内の水分は「電解質バランス(ナトリウム・カリウム・マグネシウムなど)」によって保たれています。
つまり、「ナトリウムを一方的に悪者扱いする」のではなく、カリウムやマグネシウムを一緒に摂ることが大切です。
【カリウムとマグネシウムが多い食品】
・カリウム:バナナ、アボカド、ほうれん草、ひじき、干し芋
・ マグネシウム:アーモンド、玄米、海藻類、納豆、にがり
「塩分=悪」ではなく、「どんな塩か」「どんな栄養と一緒に摂っているか」がポイントです。
・ 精製塩→控えめに
・ 天然塩→適量OK
・ ミネラル→しっかり摂る
5. 糖質の摂りすぎ
甘いスイーツは欠かせない!そんなふうに、甘いものが手放せなくなっていませんか?
糖質を摂りすぎると、水分を溜め込んでしまうため、むくみやすくなるので食べ過ぎ注意です。
甘いものとむくみの関係については、下記の記事にて詳しく記載していきます!

栄養学の視点から:摂るべき栄養・控えたいもの
◎意識して摂りたい栄養素
・たんぱく質(アルブミンというたんぱく質が、水分を血管内に留めておく働きをしています)
・カリウム(アボカド、ほうれん草、バナナなど)
・ビタミンB群(糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える回路でフル稼働)
・鉄・亜鉛・マグネシウム(体のエネルギー代謝やホルモンバランスの調整)
△できるだけ控えたいもの
• 精製された砂糖・小麦
→血糖値の乱高下→インスリン過剰→水分貯留の一因に。
• 加工食品や外食の塩分(ナトリウム)
→水分を体にため込みやすくする。
• 冷たい飲み物のとりすぎ
→内臓が冷え、代謝が低下し水がたまりやすくなる。

むくみは「排出の力」が落ちているサイン
東洋医学では、むくみは「脾(消化吸収)」「腎(水の代謝)」「肺(水分の通り道)」の不調と考えられます。
特に梅雨の時期は「湿邪(しつじゃ)」と呼ばれる余分な水分が体に侵入しやすいため、
外からの湿気+内側の排出力低下が重なると、むくみが慢性化しやすくなります。
鍼灸で巡りと排出をサポート
鍼灸では、脾・腎・肺の経絡にアプローチし、「水の巡り」を促して、体の中にたまった余分な湿気を追い出すサポートの他、筋肉にもダイレクトにアプローチ可能です。
「たかがむくみ」と思って放っておくと、慢性的な疲労感や頭の重さ、冷え、不眠などに発展することも。
栄養・睡眠・巡りのバランスを整えることは、むくみケアの第一歩。
毎日の暮らしの中に、小さな“巡り直し”を取り入れてみませんか?
お悩みの方は、お気軽にご相談くださいね。

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