前回、冬の不調の正体は「エネルギー不足(気虚)」と「温める力の低下(陽虚)」とお伝えしました。
では、この冬の体をどう整えていけば良いのでしょうか?
冬に不調が出やすい理由のひとつは、体がエネルギーをつくるための材料=気血(き・けつ)と、それを温め巡らせる力=陽気(ようき)が不足しやすいからです。
そこで今回は、「食事」と「巡り」を整える具体的な方法をお伝えします。

まず大切なのは、東洋医学でいう”血をつくる食事”。
血は、肌の潤い・心の安定・女性ホルモンの働き・髪や爪の質など、女性の体のあらゆる土台を支えています。
ここで栄養学の視点を重ねると、大切なのは「何を摂るか」よりも「ちゃんと消化吸収できているか」です。
実は、疲れやすい・冷えが強い・むくむといった不調の背景には、栄養不足だけでなく「胃腸の消化力の低下」が隠れていることが少なくありません。
胃腸が疲れていると、どんなに良いものを食べてもそれらがプラスになりません。
それどころか、消化しきれなかった食べ物が腸内で負担となり、お腹の張り・ガス・便秘・肌荒れなどを引き起こすこともあります。
だからこそ冬は、「栄養を足す前に、消化の土台を整える」という視点が必要です。

食事の心がけ
・温かいスープや味噌汁からスタート
・よく噛んで、ゆっくり味わって食べる
・消化しやすい調理法(煮る・蒸す)を選ぶ
・食べ過ぎない・腹八分目を意識する
・ながら食べを控える(テレビやスマートフォンを遠ざける。)
そのうえで、血と陽気を補う食材を取り入れていきましょう。
次の項目では、なぜこの組み合わせが良いのか?ちょっとした豆知識とともにご紹介していきます。

鶏むね×ネギ味噌(たんぱく質+ビタミンB群+発酵食品)
→ たんぱく質は、ビタミンB群と一緒に摂ることで、エネルギーとして活用されやすくなります。
さらに味噌の発酵パワーで消化もサポート。
卵×きのこ(完全栄養食+ビタミンD+食物繊維)
→ 卵は”完全栄養食”と呼ばれるほど栄養バランスが良く、きのこのビタミンDが免疫力をサポート。
食物繊維で腸内環境も整います。
豆腐×しょうが(植物性たんぱく質+温め食材)
→ 豆腐は消化しやすい良質なたんぱく質。
しょうがは体を内側から温め、胃腸の働きを活発にしてくれます。冷え対策の最強コンビ。
豚肉×玉ねぎ(ビタミンB1+硫化アリル)
→ 豚肉のビタミンB1は疲労回復の要。
玉ねぎの硫化アリルがB1の吸収を高め、疲れを翌日に持ち越しにくくします。生姜焼きや鍋もおすすめです。
納豆×キムチ(発酵食品×発酵食品=腸活コンビ)
→ 発酵食品同士の組み合わせ。
消化の土台を整えたい冬にぴったりです。ご飯にのせるだけで手軽に◎
レバー×にら(鉄分+ビタミンA+硫化アリル)
→ レバーは”血をつくる”代表食材。
鉄分とビタミンAが豊富で、にらの香り成分(硫化アリル)が血行を促進し、レバーの栄養吸収もサポートします。
牡蠣×レモン(亜鉛+ビタミンC)
→ 牡蠣は”海のミルク”と呼ばれ、疲労回復に欠かせない亜鉛がたっぷり。
レモンのビタミンCと一緒に摂ることで、亜鉛の吸収率が格段にアップ!
小松菜×ごま油(カルシウム+ビタミンK+良質な脂)
→ 小松菜はほうれん草よりカルシウムが豊富。
ビタミンKが骨の健康をサポートし、ごま油の脂質が栄養の吸収を助けます。炒め物や和え物に◎
かぼちゃ×ナッツ(β-カロテン+ビタミンE)
→ かぼちゃのβ-カロテンは免疫力アップに、ナッツのビタミンEは血行促進に。
どちらも脂溶性ビタミンなので、一緒に摂ることで吸収率が高まります。
「温かい・消化にやさしい・栄養の相乗効果がある組み合わせ」が、冬の体には最適です。
冷たいサラダやフルーツスムージーは胃腸に負担が大きいので、できるだけ温かい調理法を選びましょう◎

鍼灸でのアプローチ
食事は”材料”。
鍼灸は”巡らせる力と消化の土台”を整えるアプローチです。
胃腸の働きが整い、吸収力が高まり、手足の冷えが軽くなる。
自律神経が安定することで睡眠の質が上がり、日中のエネルギーも使いやすくなる。
そんな快適に過ごすご自身を想像してみてください。
無理なく続けられる食養生とコンディショニングで、あなたの体が本来の力を取り戻していけますことが何よりの願いです。
そして、何よりお伝えしたいのは、「年齢だから仕方ない」と諦めなくて良いということです。
年齢ではなく、消化の土台と巡りが整っていないだけかもしれません。
無理のない範囲で、冬の土台作りをしてみてください。
あなたの冬が、もっと穏やかで心地よいものになりますように。

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