【秋の養生】知られざる「肺」「皮膚」「感情」のつながり

鍼灸マッサージ特集

朝晩の冷え込みに、秋の深まりを感じる今日この頃ですね。

「秋は乾燥に気をつけて」「肺を潤しましょう」というお話はよく耳にされると思います。

今回は、もう一歩踏み込んだ、東洋医学ならではの興味深い視点をお伝えします。

「肺」は呼吸だけじゃない?意外な役割

東洋医学での「肺」は、西洋医学の肺臓よりもずっと広い概念を持っています。

肺が担当しているのは…

東洋医学では「肺は皮毛を主る」といい、肌のうるおいや毛穴の開閉、免疫の最前線である皮膚のバリア機能まで、肺が管理しているんです。

秋に肌がカサカサしたり、風邪を引きやすくなるのは、実は肺が乾燥によってダメージを受けているサイン。

外から保湿するだけでなく、内側から肺を潤すケアが必要です。

2. 体の「気」を全身に巡らせる

東洋医学では「気=生命エネルギー」とされ、肺が吸った空気や栄養を全身に届けることで、元気・体温・免疫・血液循環などのバランスを支えています。

この機能が低下すると

・ 全身のエネルギーが不足しやすく、疲れやすい

・呼吸が浅くなり、肩こりや首の張りが起こる

・免疫力低下で風邪を引きやすくなる

・気の巡りが悪くなり、冷えやむくみなども出やすくなる など

肺の働きを高めることは、単に呼吸を深くするだけでなく、全身の巡りや免疫、体の軽さにもつながります。

驚きの関係性!「肺」と「悲しみ」のつながり

別れ、喪失感を抱えた時、「胸が締め付けられる」「息が詰まる」と感じたことはありませんか?

これ、実は気のせいではなく、悲しみの感情が肺の「気」の流れを停滞させているからなんです。

落ち葉が散り、日が短くなる。

この「手放す」「終わりゆく」季節の性質が、私たちの心にも影響を与え、センチメンタルになったり、ふとした瞬間に涙もろくなったりするのも、実は自然な反応なのです。

逆もまた真なり

そうすると、呼吸が浅くなり、皮膚のバリア機能も落ちて、風邪を引きやすくなる…という悪循環に。

心と体は、想像以上につながっているんですね。

今日からできる「秋の養生」3つのポイント

1. 白い食材で内側から潤す

大根、レンコン、白きくらげ、百合根、梨、山芋、豆腐などを積極的に食卓に取り入れましょう。

特にレンコンは、肺を潤しながら気の巡りも助ける優秀食材です。

2. 深い呼吸で「気」を巡らせる

朝起きた時や寝る前に、窓を開けて新鮮な空気を吸い込む「深呼吸タイム」を。

鼻から4秒吸って、口から8秒かけて吐く(吐く時間を長く確保することでリラックスしやすくなります。)

肺の機能が活性化し、心も落ち着きます。

3. 感情を「流す」時間を持つ

悲しい気持ちや憂いを感じたら、無理に抑え込まないこと。

好きな音楽を聴いて涙を流したり、信頼できる人に話を聞いてもらったり。感情を適度に外に出すことが、実は最高の養生になります。

「泣くとスッキリする」のは、滞っていた肺の気が動き出すからなんですよ^^

ご来院の際「今日は話したいな〜」という気分の時には、たくさん吐き出してもらえたら嬉しいです。

もちろん、「静かに休みたいな…」という時には、気兼ねなく、お気遣いなくゆったりお過ごしくださいね^^

東洋医学では、季節の変わり目を「土用(どよう)」と呼び、体のバランスを調整する“脾胃”=消化吸収や気血を生み出す臓が影響を受けやすい=お腹の不調が起こりやすい時期とされています。

さらに、昼夜の温度差が大きい今の時期は、自律神経がフル稼働…!

「なんとなくだるい」「疲れが取れない」「頭が重い」「眠りが浅い」など、“風邪ではない不調”が増えるのも特徴です。

涼しくなってきて喉の渇きを感じにくく、水分不足気味な方も多いので要注意。

・首・手首・足首を温める
・常温〜温かい飲み物でこまめに水分補給
・寒暖差に備えて羽織もの常備
・食事で内側から整える&うるおい補給を
 

そんな意識を持ちながら、「胃腸を労わる」ことが「秋を健やかに、冬に備える」養生につながります♪

秋は「リセット」の季節

春が「始まり」の季節なら、秋は「手放し」と「整理整頓」の季節。

不要なものを手放し、心と体をリセットして、冬に向けて力を蓄えていく。

当院では、季節に合わせた鍼灸とマッサージで、お一人お一人の心身のバランスを整えるお手伝いをしています。

「なんだか調子が出ない」「心がざわざわする」

そんな時こそ、ご自身を労わる時間を作ってあげてくださいね。

Instagramでは、春夏秋冬という大部分ではなく、「二十四節気」に分類して季節ならではの養生方法などを更新しています。気になる方は、ぜひ覗いてみてください^^

この秋も、皆さまの心と体が健やかでありますように。

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